MASTER:鮎
Twitterにだいたい毎日います。

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nowhere

雲霞を飛び行く獣の話
仙よりも気高く、獣よりも獰猛で

崑崙は空中に浮いた岩々から成る。よってここにいる動物は通常、翼をもつ鳥や妖怪の類しかない。ところがその日、ランニング中の天化が発見 したのは、雲霞の露に濡れて震える一匹の猫だった。
「鳥に連れ去られてくることは稀にあるんだ」
そう言って猫をあやす師父の手付きに、褐色の毛に黒い斑紋を纏った子猫はすっかりとろけている。自分が助けてやったのに、と恨めしく見ている と、師父が「頭を撫でてごらん」という。額に、何か硬い出っ張りがあった。
「ただの猫ではないね。霊獣かな?よく見つけたな、お手柄だぞ」
先ほどまで拗ねていた心が、急に晴れやかになった。



初出:Twitter、道天版ワンドロ・ワンライのお題「猫の日」をお借りして。相変わらずSS名刺サイズ仕様なので短い。(SS名刺版はこちら
懲りずに原作ネタです。原作では天化は玉麒麟という霊獣に乗っています(道徳のお下がり)が、彼の兄弟弟子にあたる楊任(そう、あの楊任 です。原作では彼は趙公明の弟子ではなく、道徳の弟子なのだ!)は雲霞獣という霊獣に乗っています。なんだなんだ、弟子二人とも優秀じゃ ないか!
冒頭ネタだけ決めてあってその後の展開何も決まってないんですが、思いついたらまた短編一つ出来上がる系のあれ。いつできるんだ。
できました

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