嗚呼、蝉は何処。
師匠想い
「お師匠さまっ！！」
終南山玉柱洞の林の中から飛び出してきたのは、まだ幼いかわいらしい子供。
「みてみて！セミ捕まえたよ！」
手製の虫かごの中には大きなセミが１匹。
「おお、雷震子！！」
師匠の雲中子はそれを見ると瞳を輝かせて雷震子に駆け寄りました。
「私によぉく見せてくれないかい？」
「はい、どーぞ！」
雷震子はとても嬉しそうに虫かごを差し出しました。
雲中子はその虫かごの中のセミをじっと見ています。
雷震子は、今日はこのスパルタ師匠に誉められるのではないか、と期待しました。
しかし。
「雷震子！でかしたぞっ！！これは幻のヤッコウゼミといって、素晴らしい漢方薬の材料になるセミなのだよ！」
研究室から出てきたセミのなれの果てに、幼かった雷震子は号泣したとか。
ポケモンのヌケニン見てて話を思いついたとか、どうかしてる。