MASTER:鮎
Twitterにだいたい毎日います。

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nowhere

青峯山の修行風景
敵が正々堂々と勝負を仕掛けてくるとは限らない
 

天化は一人瞑想していた。目を閉じ、自らの気を体の中心に集め、体内を廻る血と共に体中へ渡し、そして心の臓へ戻す。そう言った所作を繰り 返す修行だ。
だが視界を閉ざすことで鋭敏となった聴覚は、勝手に僅かな空気の乱れを感じ取る。右斜め前45度、距離約100m、秒速30m…!

ガキンッ!と鎚のぶつかる音がする。とっさに繰り出した双鎚を、音もなく近付いた師父が莫邪の宝剣で難なく受け止めていた。
「うんうん、反応が早くなったな」
「心臓に悪いから、それやめるさ、コーチ」
「後は目を開けてても反応できるようになればOKだな!」
笑う師父の手に握られているのは「混元幡」。姿も気配も隠してしまう隠密宝貝は卑怯だ、と責める天化に、敵にも同じことが言えるのか?と、こ の師父は挑発してくるのであった。





初出:Twitter、道天版ワンドロ・ワンライのお題「宝貝」をお借りして。SS名刺に載せるサイズ目指したので短い。(SS名刺版はこちら
宝貝ネタなら莫邪の宝剣ネタを書けばいいものを、この人間は中身がひねくれているので、安能版及び原作ネタのマイナーネタを輸入してきま した。一振りで足跡を消し、二振りで相手を眠らせ、旗を立てることで姿を隠すことができる宝貝で、道徳は武成王造反時に、黄家一族を朝歌 から逃がす為に使用しています。(参考:安能版中巻P30辺り)
昔「花籠」ネタのお話も書いて、以前のサイトで相互リンク先にギフトとしてお渡ししたものもあるんですが、こっちもだいぶ前のネタであま りにも文章が稚拙なので、全面書き直し図ってます…進んでないです…orz

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